(untitled)

(untitled)
月が綺麗だ
ときめく

ですが、写真にはいつも綺麗に写らない
とどめたいのに
なんでだろう






×××


「いいよ、別に。勝手にすればいい」
加菜は、イトと相対したまま、言った。
温もりも、冷たさもない目で彼を見る。
「お前なぁ」と、イトは脱力して、加菜の肩に手を置いた。
「何かかんちが、」
「興味がなかったと言うわけではないもの」
加奈の態度に代わり映えはない。
イトは加菜を眇め見、苦みをのせて、口の端をあげた。
リ、リリンと、草むらで虫が羽を震わせる。
「まぁ、俺も別にいいんだけどな?」と彼は、加菜の首裏に手を差し入れた。もう片方の手を加菜のおとがいにかけ、上へと傾ける。
何もかもを、周りに託して動かぬ一対の暗闇がそこにはあった。
イトは、わずかに口を開き、加菜に顔を近づけた。
だが、唇と唇がふれるかという間際、イトは顔を止め、加菜の目元を手で覆うと、そのまま彼女を押しやった。
「タヤマ。お前、目ぇくらい閉じろよ」
「だって、どのタイミングで閉じるかなんて知らないし」
加菜は、己の視界を遮っているイトの手をどけると、悪びれもなく淡々と言った。


××××

なんだか、すんごい保護者とフィシュア臭がする。
ちなみに、もしもシェラートとフィシュアがくっついたらこうなる↓
読み飛ばしを激しく推奨。
表には内緒でよろしくお願いします!

××××

フィシュアは、シェラートの首に抱きついた。思う存分、彼の存在を確かめた後、彼女は体を離してはにかむ。
自分を見上げる翡翠の双眸に苦笑が満ちる。
フィシュアは「ただいま」と囁くと、彼の額に祝福を落とした。
寄せた唇を退いた後、再びかち合った双眸に、彼女は請うように、彼と口づける。
深い交わりの末、藍の瞳に陶然とした光をうつしたフィシュアは、吐息を漏らした。
「ん」と、シェラートの胸を押しやって、彼の膝の上から降りる。
そうして、フィシュアは、切り替えるように、からりと明るい声を出した。
「よーし!じゃあ、行ってくる」
「どこに」
「えーと、……宴とか?」
「とかって何だとかって」
フィシュアは視線をさまよわせる。
シェラートは深々と溜息をついた。
「あのさ、……シェラート?」
「何だ」
「手、離して、くれない?」
シェラートは、彼女の訴えを無視して、すり抜けようとするフィシュアの手を握ったまま、文字通り頭を抱えた。
「お前、自分から誘ってすぐ逃げるのやめろ」
「誘ってない、誘ってない。断じて誘った覚えはない!」
焦燥からか、めいいっぱい距離をとりつつ、きっぱりと言い放ったフィシュアに、シェラートはあきれて口をつぐんだのである。


×××

ちょうど、二章の終わりと同じ図になると思います。
うん、なんか違和感満載で気味悪いですな

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